機材を眺めながら次の星見の事を想うのもなかなか悪くない。
FUJINON FMT-SX 10×50
人は何のために生きているのか、
生きる目的とは何なのか、
しかし言わせて貰えば、
生きているという事だけで、
生きる目的の大半は果たしているのだと思う。
わたくしは5~6歳の頃から、天体観望が趣味だった。
親に買ってもらった6cmアクロ屈折赤道儀で、
土星、木星、金星、月、プレアデスを、
苦労して自分で導入しては良く観望していたものだ。
中学を出た後は20cmシュミットカセグレンを購入してそれで観望、
その大口径の集光力には感動したものだ。
弟分となった6cmアクロ屈折赤道儀は小学生のDAIによって、
何の罪も無いのに、
DAIの好奇心から分解の刑に処せられていた。
20代の頃は天文趣味はほとんど休業状態、
30代に入り天文趣味を本格的に復活、
趣味で乗っていたバイクを売っ払って、
そのお金で宮内光学の10cm対空双眼鏡を購入、
これが全ての始まりであった。
その後はあっという間にディープスカイ観望マニアへの道へ。
Nija-400かFUJINON15cmの導入も、
一時は本気で考えたものだ。
わたくしは望遠鏡を覗いた事がないという方に、
望遠鏡で星空案内をする機会には、
それなりに恵まれたのだが、
これが実に楽しいのだ。
しかもその望遠鏡がNinja-320という32cm反射なので、
天体が結構派手に見える。
見ている天体の特徴を2~3つ、簡潔に説明する。
「数万個の星の集まりで、今現在星が誕生してる場所を見てるんですよ」
「1000万個の星の集まりからなる銀河と銀河が衝突してる現場を見てるんですよ」
「土星が入ってますよ~、声出しちゃだめですよ(ニヤリ)」
などとこんな説明をする。
みんな声出しちゃうけどね、
でもそれが嬉しくて仕方ない。
レンズのコーティングの質がどうとか、アイピースの性格がどうとか、
主鏡の研磨精度の話しとか、
望遠鏡選びのウンチクとか、
そんな話を素人相手に長々とするマニアもいる。
でもそういうのはマニア同士で、又はブログやらHPで存分にやれば良い。
そういうのは書いてて気持ち良いしw、
読みたくなければ斜め読みしとけば良いのだから。
わたくしはマニアのウンチクや思想を読むのが大好きである。
これから見ようとしているその天体の正体は何なのか、
そこで何が起こっているのか、
これからそこで何が起ころうとしているのか、
それは我々の地球からどれ程遠いのか、
それはどれほど大きいのか、
古人(いにしえびと)はそれをどう見ていたのか。
そういう疑問が沸き、
さらにその疑問の中に身を投げ入れて、
色々調べたり聞いてみたりして、
そして実際に望遠鏡で観望してみると、
星空ハイキングは格段に楽しくなります。
そうするとただの地味ぃ~な光のシミが、
物凄く価値のある派手なシミに変貌を遂げるのです。
視野の中の、見た目は米粒程度のかすかな淡いシミ、
しかしその米粒は実は1000億の星の大集団で、
端から端まで10万光年とかいうとてつもない大きさだったりします。
例えば、その米粒と米粒が真正面からぶつかったとしましょう。
そうなったら米粒(銀河)を構成している米粒(銀河)の中の星達はどうなるのでしょう?
答えは星達はお互いにぶつかる事無くすれ違います。
星の大集団とか表現しておきながら、
星と星との間はそれくらい距離が離れています。
宇宙の大きさや時間軸、
そして今何が起きているのかを感じようとしながら、
極力素直な気持ちでレンズを覗くと、
視覚からだけではなく、
感覚でも宇宙を感じられるようになります。
さらにDAIみたいなマニアになると、
味覚・臭覚でも宇宙を感じられるようになります。
さすがに味と臭いってのは嘘です。
まだまだその境地にはいけません、修行が足りません。
ちなみに今後は聴覚で宇宙を感じられるようになるのが夢です。
でももしそれが出来たとしたら、
出来てると思ってるのだとしたら、
そいつはかなり危ない奴だと思います。
確実に方向性が違っちゃってます。
宇宙を知ろうとする事は、
自分を知るという事と、
もしかしたら本質的に同じ事なのではなかろうか?
しかし修行が足りないからわたくしにはその辺はまだまだ良く分かりません。
宇宙の広さ深さ、そして永遠とも思える時間のスケールを考えると、
人類なんて一瞬の1000ガイ分の一以上に一瞬の存在です。
まして自分なんてその人類の歴史からさらに一瞬の存在なのですね。
宇宙に対しては時間とか距離という言葉を使うことさえ憚られます。
使用してる双眼鏡
「宮内光学 BJ-100iB」
10cm対空双眼鏡
20×100
口径10cm倍率20倍、射出瞳径5mm 見掛け視界50°
26×アイピースも所有
初心者だったわたくしに、
天体導入の楽しさと、
スターホッピングの魅力を教えてくれた一台。
こいつで見る「2重星団 hχ」「スバル」「アンドロメダ大星雲」は超絶。
「子持ち銀河 M51」も最高。
非常にコントラストが高く星像も結構良い。
欲を言うと20倍で見掛け視界60度のスペックだと言う事無し。
時代を作った銘機。
こういう企業が活躍出来る世の中であって欲しいものだ。
「FUJINON 10×50FMT-SX」
10×50
口径5cm倍率10倍、射出瞳径5mm 見掛け視界65°
1.5kg近くあるので手持ち使用には重いが、
形状が良いので構えてても数値ほど重く感じない。
似たような重さのライバル機のNikon SP7×50よりはだいぶ構えやすい。
しかし10倍という倍率は手持ち観望の限界倍率と言っていいだろう。
同じFMT-SXシリーズには7×50もあるが、
7×50とはかなり性格が違う気がする。
7×50とは同口径にもかかわらず、
対物レンズも違うし設計も違うみたい。
手持ちでの使用だとどんなに頑張っても若干はブレるのだが、
ちょっとでもブレると微光星や細かい模様などは見えなくなるので、
性能をフルに発揮させるために三脚を使用する事も多い。
というか三脚を使わないと勿体無いくらいの性能。
星を見たときのコントラストは冗談抜きで物凄く良く、
バックグラウンドをも魅せてくれる双眼鏡。
周辺像も視野の95パーセントの範囲まで良像と言える。
周辺像はわたくしには非常に大事。
シャープ感も相当に良い。
星見に特化して考えると、
このFMT-SX10×50のトータルバランスは素晴らしい。
ちなみに渡来品やニコン・コーワあたりの、
20万円オーバーの超高級双眼鏡は確か覗いた事がない。
星見で手持ち使用オンリーで使うなら、
一般的な人には8×40あたりのスペックが、
丁度良いかなと感じてる。
星見の場合の理想を言うと口径は40mm以上は欲しいし、
しかし倍率は8倍程度に控えないと、
手ブレを抑えるのがなかなか困難になってくる。
気楽に出して使うには軽さも大事かなと思うので、
そういう意味でも40mmの口径は良い。
8×40なら見掛け視界も広いのが多いし、
射出瞳径も経験上、星見には丁度良いと思う。
体力のあるわたくしは口径5cmの双眼鏡を選ぶ。
そしてその場合は絶対に10倍を選ぶ。
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